【越境EC】北米の経済動向は?今後の越境ECに及ぼす影響は?
こんにちは!
アメリカ在住のケン・カワマタです。
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が7月1日に発効されましたね。
年末までの6カ月間は新ルールの順守に向けての準備期間と位置付け、厳格な執行は控えるとされていますが、北米で大きな市場である自動車・同部品の原産地規則をはじめ、1994年から続いた北米自由貿易協定(NAFTA)からルールが大きく変わる分野も出て来る可能性があります。
一方で、アメリカにおいて猛威を振るうコロナウイルスの勢いはとどまるところを知らず、「北米の現状、また今後の越境ECへの影響」について考察したいと思います。
アメリカ国内でも異なる状況
アメリカにおいて今年3月の時点でコロナの影響が出始めた頃、真っ先に感染者数が増えたのがニューヨーク州を初めとする東海岸でした。
次に、カリフォルニア州を初めとする西海岸。
7月に入り、特に猛威を振るっているのがアメリカの内陸部であるテキサス州、アリゾナ州、ノース及びサウスカロライナ州などです。
アメリカと言っても西海岸から東海岸まで、飛行機移動で6時間ほど要する距離・国土ですので事の進展に時差があり、状況は州によって大きく異なります。
また、アメリカの隣接国であるメキシコの動向も微妙にズレがあります。
2極化が進む自動車業界
北米では、3月からの自粛生活を経て、早いところで5月半ばから社会活動、また企業は事業を再開していますが、上述のとおり、企業によっては、何処に拠点を構えているかによって再開した時期が異なります。
その時差により、現状、市場における差が生まれて来ています。
自動車業界で言えば、ケンタッキー州に拠点を構えるトヨタ、オハイオ州に拠点を構えるホンダはいち早く工場を再開し、4月、5月の販売台数の落ち込みをカバーすべく既に需要を増やしていること。
一方で、メキシコ中央高原部に拠点を構える日産やマツダは一歩出遅れた感は否めません。
他の業界でもこういった差は出つつあります。
メキシコが抱える治安問題
日本から北米に向けて越境ECを行う際、アメリカ市場の大きさは言わずもがなですが、メキシコにおいても日本製品のニーズが高く、よく商品が売れます。
一方で、メキシコが慢性的に抱えている問題の一つが治安問題です。
コロナの影響で失業率が跳ね上がり、特にここ数年自動車産業に支えられて経済発展してきた中央高原部の治安が著しく悪化しています。
治安が悪化するとどうなるか?
物流に影響が出てきます。
輸送途中のトラックが襲われるという事件も発生しています。
日に日に変わる状況への対応力の重要性
世界的なコロナ感染の拡大は、未だ終息が見当たらない状況ですが、決して暗い話題ばかりではありません。
南米で一番の経済大国であるブラジルではコロナ対策を施しながら、ホンダが7月13日から工場の再開を表明。
他の大手企業も事業再開に向けて動き始めています。
ブラジルが動き始めれば同国と自由貿易協定を結んでいるメキシコの需要も増えます。
経済の回復が雇用に繋がり、治安を安定させ、消費の増加にも繋がります。
未だ予断を許さない状況ではありますが、引き続き海外の動向を注視し状況を理解しながら柔軟性をもって越境ECに取り組んでいきましょう。